被保険者となる人
< 適用事業所に使用される人が被保険者 >健康保険や厚生年金保険では、国籍、年齢、報酬の多少などに関係なく、適用事業所に使用される人が一括して被保険者になります。 < 適用が除外される人 >適用事業所に働いている人でも、次に該当する人は被保険者の対象から除かれ、健康保険は日雇特例被保険者(健康保険法第3条第2項被保険者)に、年金制度は国民年金の第1号被保険者になります。 ① 日々雇い入れられる人 ② 2ヵ月以内の期間を定めて使用される人 ③ 季節的業務(4ヵ月以内)に使用される人 ④ 臨時的事業の事業所(6ヵ月以内)に使用される人※ 使用される人 適用事業所に使用される人が被保険者となりますが、この「使用される人」とは、事実上その事業主のもとで使用され、労務の対償として給料や賃金をうけとっている人のことをいい、法律上の雇用契約があるかどうかは絶対的な条件にはなりません。たとえば、① 正式採用の前にある期間、見習社員というかたちで勤務する場合は、見習期間中から,② 新規採用の自宅待機者でも、雇用関係が成立していて休業手当等が支払われていれば、休業手当等の支払いの対象となった日から,③ 会社の社長なども、広い意味で法人に使用されるものとして被保険者となります。この逆に、名目上は雇用関係があっても、外国の会社に出向したり、労働組合の専従職員になって会社の方は休職扱いで給料がでないような場合は、事業主との事実上の使用関係がないので、被保険者でなくなります。
※ パートタイマーと健康保険・厚生年金保険の適用 パートタイマーと健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うかどうかは、その身分関係だけで一律に判断するのではなく、使用関係の実態に応じて判断します。その一つの目安になるのが常用的雇用関係にあるかどうかで、次にあげる勤務時間と勤務日数で、両方に該当するときに常用的使用関係が認められ、被保険者とするのが妥当とされています。 ⑴ 勤務時間 1日の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上であれば、該当します。たとえば、一般社員の所定労働時間が1日8時間とすると、6時間以上が該当します。日によって勤務時間がかわる場合は、1週間をならして、所定労働時間のおおよそ4分の3以上の勤務時間があれば該当します。 ⑵ 勤務日数 1ヵ月の勤務日数が、一般社員の所定労働日数のおおむね4分の3以上であれば該当します。一般社員の1ヵ月の所定労働日数は、必ずしも実出勤日数を指していませんが、その事業所で同じような仕事をしている社員の所定労働日数を確認して、おおよそその4分の3以上勤務していれば該当します。 以上は、あくまでも一つの目安であり、これに該当しない人でも、就労形態や就労の内容などを総合的に判断した結果、常用的雇用関係が認められれば、被保険者となります。